妊活や不妊治療について調べていると、「DHEA」という成分を目にすることがあるかもしれません。DHEAは副腎から分泌されるホルモンの一種で、海外では「若返りホルモン」とも呼ばれています。不妊治療の分野では、卵巣機能の低下した女性に対するDHEAサプリメントの効果が研究されています。
DHEAは女性ホルモン(エストロゲン)や男性ホルモン(テストステロン)の前駆体であり、卵巣機能をサポートする働きが期待されている成分です。ただし、ホルモンに作用する成分であるため、自己判断での使用には注意が必要です。
この記事では、DHEAと妊活の関係について、現時点でわかっている研究結果と注意点を解説します。

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DHEAとは何か
DHEAの基本
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)は、腎臓の上にある副腎から分泌されるホルモンです。体内で最も分泌量の多いホルモンの一つで、エストロゲンやテストステロンなど50種類以上のホルモンの「材料」として使われます。
DHEAの分泌量は25歳前後でピークを迎え、その後は加齢とともに減少していきます。40代では20代のピーク時の約半分、70代では約20%まで減少するとされています。
DHEAが注目される理由
不妊治療の分野でDHEAが注目されるようになったのは、卵巣予備能が低下した女性(いわゆる「卵巣機能低下症」の方)にDHEAを補充したところ、体外受精の成績が改善したという報告がきっかけです。特に、採卵数の増加や胚の質の改善が複数の研究で報告されています。
DHEAの妊活における期待される効果
卵巣予備能の改善
卵巣予備能が低い女性にDHEAを投与した研究では、AMH(抗ミュラー管ホルモン)値が上昇し、卵胞の発育が改善されたという報告があります。AMHは卵巣に残された卵子の数の指標であり、この値が上がるということは卵巣機能の改善を示唆しています。
採卵数・胚の質の向上
体外受精を受ける女性を対象とした複数の研究で、DHEA補充により以下の改善が報告されています。
- 採卵数の増加
- 受精率の向上
- 良好胚の数の増加
- 妊娠率の改善
ただし、すべての研究で一貫した結果が出ているわけではなく、効果がなかったという報告もあります。現時点では「有望だが、さらなる研究が必要」というのが学術界の見解です。体外受精の費用や成功率の全体像については以下の記事で詳しく解説しています。

流産率の低下
一部の研究では、DHEAの補充が流産率の低下と関連していることが示唆されています。これは、DHEAが卵子の質を改善することで染色体異常のリスクが低下するためではないかと考えられていますが、メカニズムの詳細はまだ研究段階です。


DHEAの摂取方法と一般的な用量
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一般的な用量 | 1日25〜75mg(多くの研究で75mg/日が使用) |
| 摂取期間 | 2〜4ヶ月の継続が一般的(卵子の成熟周期に合わせる) |
| 摂取タイミング | 朝1回、または朝・昼・夜に分割 |
| 効果の発現 | 摂取開始から6〜8週間後が目安 |
海外ではDHEAサプリメントがドラッグストアで手軽に購入できますが、日本ではDHEAは医薬品成分に分類されているため、サプリメントとしての国内販売は認められていません。入手する場合は海外からの個人輸入になりますが、品質管理のリスクもあるため、不妊治療クリニックで処方してもらうのが最も安全な方法です。
DHEAはホルモンの前駆体であり、サプリメントの感覚で気軽に飲むべき成分ではありません。必ず不妊治療の専門医に相談し、血中DHEA-S値を測定したうえで使用の可否を判断してもらってください。
DHEAの副作用とリスク
DHEAはホルモンに影響を与える成分であるため、以下の副作用に注意が必要です。
起こりうる副作用
- にきび・肌荒れ:テストステロンの増加に伴い、にきびが出やすくなることがある
- 多毛:顔や体の毛が濃くなる場合がある
- 脂性肌:皮脂の分泌が増える
- 声の変化:まれに声が低くなることがある
- 気分の変動:イライラや気分の波が出る場合がある
これらの副作用の多くは、DHEAがテストステロン(男性ホルモン)に変換されることで起こります。用量を適切に管理すれば深刻な副作用は少ないとされていますが、定期的な血液検査でホルモン値をモニタリングすることが重要です。妊活サプリ全般の選び方については以下の記事も参考になります。



使用を避けるべきケース
- ホルモン感受性のがん(乳がん、子宮がんなど)の既往がある方
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方(テストステロンが既に高い場合)
- 肝疾患のある方
- 妊娠が確認された後(妊娠中の安全性は確立されていない)


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DHEAと他のサプリメントの併用
妊活中にDHEAと併用されることが多いサプリメントには以下のものがあります。
- コエンザイムQ10:ミトコンドリアのエネルギー産生をサポート
- メラトニン:抗酸化作用で卵子の酸化ストレスを軽減
- ビタミンD:卵巣機能やAMH値との関連が報告されている
- 葉酸:妊活の基本サプリ。神経管閉鎖障害の予防
ただし、複数のサプリメントを同時に摂取する場合は飲み合わせの問題があるため、主治医に一覧を見せて確認してもらうのが安全です。コエンザイムQ10の妊活効果については以下の記事で詳しくまとめています。



まとめ
DHEAは卵巣機能の低下した女性に対して、体外受精の成績を改善する可能性がある成分として研究が進んでいます。AMH値の改善、採卵数の増加、胚の質の向上などが報告されていますが、まだエビデンスが十分とは言えない段階です。
最も重要なのは、DHEAは自己判断で使うべきではないということです。ホルモンに影響する成分であり、副作用のリスクもあります。使用を検討する場合は、必ず不妊治療の専門医に相談し、血液検査でホルモン値を確認したうえで判断してください。
DHEAと不妊治療の最新情報は日本生殖医学会(www.jsrm.or.jp・サイト終了)の公式サイトで確認できます。ホルモン補充療法について詳しく知りたい方は日本産科婦人科学会の情報も参考にしてください。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、DHEAの使用を推奨するものではありません。DHEAの使用については必ず専門医にご相談ください。
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