体外受精で良好な胚を移植しているのに、なかなか着床しない。そんな「着床不全」に悩む方にとって、ERA検査は大きな希望となる検査です。
ERA検査は子宮内膜の「着床の窓(インプランテーションウィンドウ)」を遺伝子レベルで特定し、胚移植の最適なタイミングを見極める検査です。従来の画一的なスケジュールではなく、一人ひとりに合ったベストタイミングを科学的に割り出せるのが最大の特長と言えます。
この記事では、ERA検査の仕組み・費用相場・期待できる効果、そして受ける前に知っておきたい注意点をまとめました。検査を検討している方はぜひ参考にしてください。

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ERA検査とは?仕組みをわかりやすく解説
ERA(Endometrial Receptivity Analysis)検査は、スペインのIgenomix社が開発した子宮内膜受容能検査です。子宮内膜の組織を少量採取し、248個の遺伝子の発現パターンを解析することで、着床に適した時期(着床の窓)がいつなのかを判定します。
一般的に着床の窓は排卵後5日目(黄体ホルモン投与後5日目)とされていますが、実は約30%の方が標準的なタイミングからずれていると報告されています。つまり、良好な胚を移植していても、タイミングがずれていれば着床しにくいのです。
ERA検査の流れは以下の通りです。
- ホルモン補充周期で子宮内膜を準備する
- 通常の移植日に合わせて子宮内膜の一部を採取(ピペル法で痛みは少なめ)
- 検体をラボに送り、遺伝子発現を解析
- 約2〜3週間で結果が届く
- 結果に基づいて最適な移植タイミングを決定する
結果は「Receptive(着床可能)」「Pre-Receptive(まだ早い)」「Post-Receptive(すでに過ぎている)」のいずれかで示されます。Pre-ReceptiveやPost-Receptiveと判定された場合は、移植のタイミングを何時間ずらすべきかまで具体的に提示されます。
ERA検査の費用相場
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| ERA検査単体 | 約12万〜15万円 |
| TRIO検査(ERA+EMMA+ALICE) | 約15万〜20万円 |
| 子宮内膜採取の処置費用 | 約1万〜3万円 |
| 再検査(タイミング調整後の確認) | 約10万〜15万円 |
ERA検査は保険適用外の自費検査です。費用はクリニックによって異なりますが、ERA単体で12万〜15万円が相場となっています。
近年は、ERA検査に加えて子宮内の細菌バランスを調べるEMMA検査、慢性子宮内膜炎の原因菌を調べるALICE検査をセットにした「TRIO検査」を勧めるクリニックも増えています。TRIO検査なら一度の組織採取で3つの検査を同時に行えるため、身体的・経済的な負担を抑えられます。
ERA検査は先進医療として認められている施設では、体外受精の保険診療と併用が可能です。ただし、すべてのクリニックが先進医療の認定を受けているわけではないため、事前に確認しましょう。

ERA検査の効果|どのくらい妊娠率が上がるのか
ERA検査の最大のメリットは、移植の最適タイミングを個別に特定できることです。では実際に、検査を受けることでどれほど妊娠率が変わるのでしょうか。
Igenomix社が発表した大規模研究では、反復着床不全の患者がERA検査の結果に基づいて移植タイミングを調整した場合、臨床妊娠率が約24%改善したというデータが報告されています。また、着床の窓がずれていた患者に限定すると、タイミング調整後の妊娠率はさらに高い結果を示しています。
一方で、ERA検査の有効性については議論もあります。すべての患者に一律に効果があるわけではなく、反復着床不全の方に特に有用とされています。良好な胚を複数回移植しても着床しなかった方が対象としては最も適しています。
- 反復着床不全(良好胚を2〜3回移植しても妊娠しない)の方に特に推奨
- 着床の窓がずれていた場合、タイミング調整で妊娠率が大幅アップ
- 約30%の方が「窓のずれ」を持っている
- 結果は一度出れば基本的に変わらないとされる
ERA検査を受けるべき人・受けなくてよい人
ERA検査が推奨されるケース
- 良好な胚を2回以上移植しても着床しない方
- 年齢的に移植のチャンスを無駄にしたくない方
- 原因不明の着床不全で他に打つ手がない方
急がなくてもよいケース
- 初めての体外受精で、まだ移植回数が少ない方
- 胚の質そのものに課題がある方(先に胚盤胞到達率を上げる治療を優先)
- 子宮内膜の厚さなど基本的な問題がまだ解決していない方
主治医と相談のうえ、「移植のタイミング以外の原因を先に排除する」ことが大切です。ERA検査は万能ではなく、あくまで着床不全の原因の一つを調べるものと位置づけてください。

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ERA検査を受ける際の注意点
ERA検査を受ける前に、以下の点を理解しておきましょう。
- 検査周期は移植できない:内膜採取を行う周期では胚移植ができないため、1周期分のタイムロスが発生します
- 痛みには個人差がある:子宮内膜の採取時にチクッとした痛みを感じる方もいます。痛みが心配な場合は事前に鎮痛剤を処方してもらいましょう
- 再検査が必要になることもある:結果が「判定不能」となった場合や、タイミング調整後の確認で再検査が必要になるケースがあります
- 検査結果が変わる可能性:体調やホルモン状態の変化で着床の窓が変動する可能性もゼロではありません
まとめ
ERA検査は、着床の窓を遺伝子レベルで調べることで胚移植の成功率を高める有力な手段です。費用は12万〜15万円程度と決して安くありませんが、反復着床不全で悩んでいる方にとっては「なぜ着床しないのか」の答えにたどり着ける可能性があります。
焦って検査を受ける必要はありませんが、良好な胚を複数回移植しても結果が出ない場合は、主治医に相談してみる価値は十分にあるでしょう。一人で悩まず、科学的なアプローチで次の一歩を踏み出してみてください。
不妊治療に関する正確な情報は、日本産科婦人科学会の公式サイトで確認できます。体外受精や先進医療の保険適用については、厚生労働省の最新情報をチェックしてみてください。生殖医療全般の解説は日本生殖医学会も参考になります。
※この記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の医療行為を推奨するものではありません。検査の実施については必ず主治医にご相談ください。
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