子宮筋腫は成人女性の3〜4人に1人が持っているとも言われる、非常にポピュラーな良性腫瘍です。「妊活前の検査で筋腫が見つかった」という方も多いでしょう。
子宮筋腫があるからといって必ず妊娠に影響するわけではなく、筋腫の「場所」と「大きさ」によって影響度は大きく異なります。すべての筋腫が不妊の原因になるわけではないことをまず押さえておいてください。
この記事では、子宮筋腫のタイプごとに妊活への影響を整理し、手術の必要性の判断基準や日常のケアまで詳しく解説します。

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子宮筋腫の3つのタイプ
子宮筋腫は発生する場所によって大きく3つのタイプに分けられます。妊活への影響もタイプによって異なります。
| タイプ | 発生場所 | 妊活への影響 |
|---|---|---|
| 粘膜下筋腫 | 子宮内腔に向かって発育 | 影響大:着床を直接妨げる可能性が高い |
| 筋層内筋腫 | 子宮の筋肉の中に発育 | 場合による:大きさや位置で影響が変わる |
| 漿膜下筋腫 | 子宮の外側に向かって発育 | 影響小:子宮内腔を変形させなければほぼ影響なし |
粘膜下筋腫:最も妊活に影響するタイプ
粘膜下筋腫は子宮の内腔に突出するため、受精卵の着床スペースを物理的に狭くしたり、子宮内膜の血流を妨げたりします。このタイプはサイズが小さくても妊娠率を低下させることが研究で示されており、妊活前の摘出が推奨されることが多いです。
筋層内筋腫:大きさと位置が判断基準
筋層内筋腫は最も一般的なタイプです。子宮内腔を変形させるほど大きい場合(一般的に4〜5cm以上)は着床に影響する可能性がありますが、小さくて内腔に影響しない場合はそのまま妊活を進められるケースも少なくありません。
漿膜下筋腫:妊活への影響は限定的
子宮の外側に向かって育つ漿膜下筋腫は、子宮内腔の形状を変えない限り妊娠には大きな影響を及ぼしません。ただし、非常に大きくなった場合は周囲の臓器を圧迫したり、茎捻転のリスクが生じるため、定期的な経過観察は必要です。

子宮筋腫が妊活に与える具体的な影響
着床障害
子宮内腔を変形させる筋腫がある場合、受精卵が着床するためのスペースや子宮内膜の環境が損なわれます。特に粘膜下筋腫や、子宮内腔に近い位置にある大きな筋層内筋腫が該当します。
着床後の流産リスク
筋腫が子宮内腔を圧迫していると、胎嚢の成長が妨げられたり、胎盤の形成に悪影響を及ぼす可能性があります。研究データでは、粘膜下筋腫がある場合の流産率はない場合と比べて約2倍という報告もあります。
卵管の圧迫
筋腫が卵管の入口付近にある場合、卵管の通過性が低下し、精子と卵子の出会いが妨げられることがあります。このケースでは卵管造影検査で確認が可能です。
手術が必要なケースと不要なケース
手術が推奨されるケース
- 粘膜下筋腫がある(サイズを問わず)
- 筋層内筋腫が4〜5cm以上で子宮内腔を変形させている
- 体外受精を複数回行っても着床しない場合
- 筋腫が卵管入口を圧迫している場合
経過観察でよいケース
- 漿膜下筋腫で子宮内腔に影響がない
- 筋層内筋腫が小さく内腔を変形させていない
- 自然妊娠や不妊治療で妊娠の可能性が十分にある
筋腫核出術(筋腫だけを取る手術)
妊娠を希望する場合は子宮を温存して筋腫だけを摘出する「筋腫核出術」が選択されます。開腹手術と腹腔鏡手術があり、筋腫の数や大きさ、位置によって術式が決まります。粘膜下筋腫の場合は子宮鏡下手術で摘出できることもあり、体への負担が比較的軽い方法です。
術後は子宮の回復を待つため、一般的に3〜6ヶ月の避妊期間が必要です。その後が妊活再開のタイミングとなります。
筋腫がある場合の妊活の進め方
筋腫があると判明した場合の妊活は、以下のような流れで進めるのが一般的です。
- 詳しい検査を受ける:超音波検査やMRI検査で筋腫の位置・大きさ・数を正確に把握する
- 子宮内腔への影響を評価する:子宮鏡検査や子宮卵管造影検査で内腔の状態を確認する
- 治療方針を決める:手術が必要か経過観察でよいか、医師と相談して決定する
- 年齢を考慮した計画を立てる:手術を選択する場合、術後の回復期間+妊活期間を逆算して計画を立てる
特に35歳以上の方は、手術による半年以上のタイムロスと、筋腫を残したまま妊活を進めるリスクを天秤にかけた判断が求められます。医師とよく相談し、自分にとって最適な選択を見つけてください。

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妊娠中の筋腫のリスクと管理
筋腫がある状態で妊娠した場合、いくつかのリスクが伴うことを知っておく必要があります。
- 筋腫の増大:妊娠中のエストロゲン増加により筋腫が大きくなることがある
- 筋腫変性による痛み:急速に大きくなった筋腫の血流が不足し、強い腹痛が生じることがある
- 早産・前置胎盤のリスク:筋腫の位置によっては早産や帝王切開のリスクが高まる
- 産後の子宮収縮不全:筋腫が子宮の収縮を妨げ、出血量が増えることがある
ただし、これらのリスクは筋腫がある妊婦さん全員に生じるわけではなく、適切な管理のもとで問題なく出産される方がほとんどです。ハイリスク妊娠に対応できる医療機関を選ぶことで、安心して出産に臨めます。
まとめ
子宮筋腫は非常に一般的な疾患であり、多くの場合は妊活に深刻な影響を与えません。重要なのは筋腫のタイプと位置を正確に把握することです。粘膜下筋腫は手術の検討が必要ですが、漿膜下筋腫や小さな筋層内筋腫であれば、そのまま妊活を進められるケースが大半です。
子宮筋腫と妊娠に関する詳しい情報は日本産科婦人科学会が参考になります。不妊治療との両立については日本生殖医学会(www.jsrm.or.jp・サイト終了)の情報もチェックしてみてください。女性の健康に関する総合的な情報は厚生労働省の女性の健康推進室でも公開されています。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の医療アドバイスではありません。治療方針については必ず担当医にご相談ください。
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