不妊治療を続けるなかで「免疫が原因で着床しない」「免疫寛容がうまくいっていない」といった説明を受けたことはありませんか。妊娠の成立には、母体の免疫が胚を受け入れる「免疫寛容」という仕組みが深く関わっています。
この記事では、免疫寛容の仕組みと不妊との関係、そして免疫グロブリン(IVIG)治療の内容や費用について詳しくお伝えします。免疫系の問題が疑われている方の参考になれば幸いです。

🐰 ナビ助のおすすめ!
🌸 自分の体質に合う漢方を相談したい方へ
LINEで薬剤師に相談できるオンライン漢方薬店「YOJO」

- ✅ LINEで約3分の体質チェック
- ✅ 漢方選びを薬剤師に無料で相談できる
- ✅ 相談して決めた漢方を自宅にお届け
- ✅ 取り扱いは第二類・第三類医薬品
※体質チェックと相談までは無料。持病がある方・通院中の方・妊娠中の方は、まず医師にご相談ください
免疫寛容とは?妊娠に必要な体の仕組み
免疫寛容とは、本来なら「異物」として攻撃してしまうものを、免疫システムが受け入れる仕組みのことです。妊娠においては、受精卵は父親由来の遺伝子を半分持っているため、母体の免疫にとっては「半分異物」にあたります。
通常、免疫システムは体内に入ってきた異物を攻撃して排除しようとします。しかし妊娠が成立するためには、この攻撃を抑え、胚を受け入れる「寛容」の状態が必要です。子宮内膜には制御性T細胞(Treg細胞)やNK細胞など、免疫を調整する細胞が存在し、これらが正常に機能することで着床・妊娠が維持されると考えられています。
この免疫寛容が十分に働かないと、胚が着床できなかったり、着床してもすぐに排除されてしまったりする可能性があります。これが「免疫性の着床不全」や「免疫性の不育症」と呼ばれる状態です。
- 受精卵は母体にとって「半分異物」であり、免疫寛容がないと排除されてしまう
- 制御性T細胞やNK細胞が免疫寛容に重要な役割を果たす
- 免疫寛容の不全は着床不全や不育症の原因になり得る
免疫が原因と疑われるケース
すべての不妊や不育症に免疫が関与しているわけではありませんが、以下のようなケースでは免疫系の問題が疑われることがあります。
反復着床不全
良好な胚を複数回移植しても着床に至らない「反復着床不全」では、免疫寛容がうまく機能していない可能性が検討されることがあります。胚の質や子宮内膜に問題がないにもかかわらず着床しない場合、免疫学的な検査が提案されるケースがあります。
反復流産・不育症
2回以上の流産を繰り返す「反復流産」や「不育症」と診断された場合も、免疫系の異常が背景にある可能性が調べられることがあります。特に抗リン脂質抗体が陽性の場合や、NK細胞の活性が高い場合は、免疫に関連した治療が検討されます。
免疫検査の内容
免疫系の問題を調べるために、以下のような検査が行われることがあります。
- NK細胞活性検査:末梢血中のNK細胞の活性度を測定する
- Th1/Th2比:免疫バランスを評価し、Th1優位だと拒絶反応が強まりやすいとされる
- 抗リン脂質抗体検査:血液が固まりやすい状態を引き起こす抗体の有無を調べる
- 制御性T細胞の測定:免疫寛容に関わるTreg細胞の数や割合を確認する
検査名や結果は一度の説明では覚えきれないこともあります。通院の記録をまとめられる手帳を1冊用意しておくと、次の診察で聞きたいことも整理しやすくなります。

IVIG(免疫グロブリン)治療とは?
IVIG治療は、ヒト免疫グロブリンを点滴で投与する治療法です。もともとは免疫不全症や自己免疫疾患の治療に使われていましたが、不育症や反復着床不全に対しても使用されるケースがあります。
IVIGの作用メカニズム
免疫グロブリンを大量に投与することで、以下のような作用が期待されています。
- 過剰な免疫反応を抑制し、免疫寛容を促す
- NK細胞の活性を低下させる
- 炎症性サイトカインの産生を抑え、着床環境を整える
- Th1/Th2バランスをTh2優位に調整する
IVIGの投与方法
一般的には、胚移植の前に点滴で投与されます。投与量や回数は施設や患者さんの状態によって異なりますが、1回の点滴に数時間かかることもあります。入院が必要な施設もあれば、日帰りで対応できるケースもあります。
IVIGの適応となるケース
IVIG治療は、通常の不育症治療(ヘパリン・低用量アスピリン療法)で妊娠継続が難しい場合に検討されることが多いです。具体的には以下のような方が対象となる場合があります。
- NK細胞活性が高い方
- Th1/Th2バランスがTh1優位の方
- 抗リン脂質抗体陽性で従来治療が奏功しなかった方
- 原因不明の反復流産を繰り返す方
IVIG治療は高度な免疫療法であり、すべての不妊・不育症に適応されるわけではありません。治療を受けるかどうかは、免疫検査の結果をもとに主治医と十分に相談して判断しましょう。
IVIG治療の費用はどのくらい?
IVIG治療を検討する際に、多くの方が気になるのが費用面です。
費用の目安
IVIG治療は高額な自費診療です。費用は施設や体重(投与量)によって大きく異なり、1コースあたり数十万円から100万円以上かかるケースもあります。複数コースが必要になる場合はさらに費用がかさむため、事前に治療を受ける施設で具体的な見積もりを確認することが大切です。
治療費は年単位で積み上がっていきます。医療費だけをまとめて書き込む家計簿を分けておくと、医療費控除の申請時にも見返しやすくなります。
保険適用について
不育症に対するIVIG治療は、記事執筆時点では保険適用外(自費診療)となっているケースが多いです。ただし、原発性免疫不全症候群や特定の自己免疫疾患に対しては保険が適用されることがあります。不育症や反復着床不全に対する使用は、施設によって取り扱いが異なるため、事前に確認することが大切です。
助成制度の有無
自治体によっては、不育症治療に対する助成金制度を設けている場合があります。IVIG治療が助成の対象になるかどうかは自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村の窓口やウェブサイトで確認してみましょう。高額療養費制度の対象になるかどうかも、加入している健康保険に問い合わせることをおすすめします。

🐰 ナビ助のおすすめ!
IVIG以外の免疫関連治療
免疫寛容に関わる治療はIVIGだけではありません。他にもいくつかのアプローチが用いられています。
タクロリムス
免疫抑制剤の一種で、Th1細胞の働きを抑えて免疫バランスを整える作用があります。不妊治療では、移植前後の短期間・低用量で使用されるケースがあり、研究でも有効性と安全性について報告が出ています。
低用量アスピリン・ヘパリン療法
抗リン脂質抗体陽性の不育症に対して行われる代表的な治療法です。血液を固まりにくくすることで、胎盤の血流を維持し、流産のリスクを下げることを目指します。
ピシバニール(OK-432)療法
夫リンパ球免疫療法の代替として使用されることがある免疫調整療法です。施設によって実施の有無が異なります。
免疫関連治療を受ける際の心構え
免疫に関わる不妊・不育症の治療は、通常の不妊治療と比べて専門性が高く、治療できる施設も限られています。以下のポイントを意識しておくと、治療に向き合いやすくなります。
セカンドオピニオンも検討する
免疫関連の不妊治療は、医師によって見解が分かれることもあります。現在の主治医の方針に迷いがある場合は、免疫性不妊を専門とする別の医療機関にセカンドオピニオンを求めるのも一つの方法です。複数の視点から治療方針を検討することで、納得のいく選択ができるようになります。
相談の前に用語や治療の流れをざっと押さえておきたい方は、不妊治療について書かれた書籍を1冊読んでおくと、説明の理解が早くなります。
費用面の計画を立てる
IVIG治療をはじめとする免疫関連治療は高額になりやすいため、治療を始める前にトータルの費用感を把握しておくことが大切です。助成制度の活用、医療費控除の申請なども視野に入れて、経済的な計画を立てましょう。パートナーや家族と費用面についてオープンに話し合うことも重要です。
精神面のサポートも大切にする
免疫関連治療は期間が長くなることもあり、精神的な負担が大きくなりがちです。カウンセリングやサポートグループの活用、パートナーとのコミュニケーションなど、心のケアも忘れずに行いましょう。一人で抱え込まないことが、治療を続けるうえでとても大切です。
ひと息つく時間をつくりたいときに、ノンカフェインのハーブティーを常備している方もいます。
免疫寛容治療に関するよくある質問
Q. IVIG治療には副作用がありますか?
A. 点滴中や投与後に頭痛、発熱、倦怠感、吐き気などの症状が出ることがあります。重篤な副作用は稀ですが、アナフィラキシーショックなどのリスクもゼロではないため、投与は医療機関で慎重に行われます。投与中は体調の変化を医療スタッフに伝えましょう。
Q. IVIG治療は何回行う必要がありますか?
A. 1回の投与で済むケースもあれば、妊娠初期まで複数回投与するケースもあります。投与回数は患者さんの免疫状態や治療方針によって異なるため、担当医と相談して決定します。
Q. IVIG治療を受けられるクリニックは多いですか?
A. IVIG治療を行っている施設は限られています。不育症や免疫性の着床不全に対する専門的な治療を行っているクリニックや大学病院が主な実施施設です。治療を検討している場合は、免疫関連の不妊治療に実績のある施設を探して相談することをおすすめします。
Q. 自然妊娠の場合でもIVIG治療は受けられますか?
A. 主に体外受精と組み合わせて使用されることが多いですが、自然妊娠後の流産予防として使用されるケースもあります。不育症の診断を受けている方であれば、治療の選択肢として主治医に相談してみましょう。
まとめ
免疫寛容は妊娠の成立と維持に欠かせない仕組みであり、これがうまく働かない場合は着床不全や不育症の原因となることがあります。
IVIG(免疫グロブリン)治療は、従来の治療で結果が出なかった方への選択肢として注目されていますが、費用は施設や投与量によって1コース数十万円から100万円以上と高額で、保険適用外となるケースも多い点に注意が必要です。
治療を検討する際は、まず免疫検査で自身の状態を正確に把握し、専門性の高い医療機関で相談することが大切です。費用面では助成制度の確認も忘れずに行いましょう。

🧺 この記事で紹介したアイテム
参考情報:EggLink|IVIG(免疫グロブリン)療法と不育症、杉山産婦人科|難治性着床不全および不育症専門外来、松本レディースIVFクリニック|免疫性不妊の治療
🐰 ナビ助のおすすめ!
🌸 自分の体質に合う漢方を相談したい方へ
LINEで薬剤師に相談できるオンライン漢方薬店「YOJO」

- ✅ LINEで約3分の体質チェック
- ✅ 漢方選びを薬剤師に無料で相談できる
- ✅ 相談して決めた漢方を自宅にお届け
- ✅ 取り扱いは第二類・第三類医薬品
※体質チェックと相談までは無料。持病がある方・通院中の方・妊娠中の方は、まず医師にご相談ください


