「トランス脂肪酸は体に良くないって聞くけど、妊活にも影響するの?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。トランス脂肪酸は、摂りすぎると健康面でさまざまなリスクが指摘されている脂肪酸の一種です。
妊活中は体づくりの大切な時期だからこそ、トランス脂肪酸の特徴や含まれる食品を正しく知り、上手に避ける工夫を取り入れることが大切です。この記事では、トランス脂肪酸が妊活に与える影響や、注意すべき食品、そして日常で実践できる対策をわかりやすく解説します。

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トランス脂肪酸とは何か?基本を知ろう
トランス脂肪酸は、油脂の加工過程で生まれる脂肪酸の一種です。液体の植物油に水素を添加して固形にする「部分水素添加」という工程で生成されます。マーガリンやショートニングの製造過程がその代表例です。
また、牛肉や乳製品にもごく微量の天然のトランス脂肪酸が含まれていますが、健康リスクが主に指摘されているのは人工的に生成されたトランス脂肪酸です。
WHO(世界保健機関)は、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう勧告しています。日本人の平均摂取量は約0.3%とこの基準を下回っていますが、食生活の内容によっては摂取量が多くなるケースもあるため、意識しておくことが大切です。
トランス脂肪酸が妊活に与える影響
排卵との関連性
ハーバード大学公衆衛生大学院が行った「看護師健康調査II(Nurses’ Health Study II)」では、トランス脂肪酸の摂取量が多い女性ほど排卵障害による不妊のリスクが高くなる傾向が報告されています。この研究では、総エネルギー摂取量に対するトランス脂肪酸の割合が2%増えるごとに、排卵障害のリスクが高まるという結果が示されました。
ホルモンバランスへの影響
トランス脂肪酸は体内で炎症を引き起こしやすい物質とされており、慢性的な炎症はホルモンバランスの乱れにつながることがあります。妊活において、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが適切に分泌されることは非常に重要です。
出生体重への影響
妊娠中のトランス脂肪酸の血中濃度が高い場合、赤ちゃんの出生体重が低下する傾向があるという研究結果も報告されています。妊活中から意識しておくことで、妊娠後の赤ちゃんの健やかな発育にもつながります。

トランス脂肪酸を多く含む食品一覧
トランス脂肪酸が含まれやすい食品を知っておくと、日常の食事で意識しやすくなります。
トランス脂肪酸を含みやすい食品
- ショートニング:パン、クッキー、ドーナツなどの製造に使用
- 一部のマーガリン:安価な業務用マーガリンに多い傾向
- 菓子パン・ドーナツ:ショートニングが使われていることが多い
- スナック菓子:揚げ菓子やポテトチップスの一部
- 冷凍のピザ・フライ食品:加工油脂が使用されているもの
- ファストフードの揚げ物:フライドポテト、チキンナゲットなど
- ホイップクリーム(植物性):水素添加油脂を使用
- コーヒーフレッシュ:植物油脂を原料としたもの
ただし、大手メーカーのマーガリンは近年の製法改善によりトランス脂肪酸の含有量が大幅に減少しています。たとえば、家庭用のマーガリン製品では10gあたり0.1g以下のものが主流になってきており、適量を使う分にはそれほど心配する必要はありません。商品パッケージの栄養成分表示を確認してみると安心です。
表示を1つずつ確認するのが大変なら、家で使う油をシンプルなものに替えてしまうほうが早い場合もあります。加熱にも生食にも使えるタイプなら、1本で幅広くまかなえます。
トランス脂肪酸を避けるための具体的な方法
原材料表示をチェックする習慣をつける
加工食品を購入するときは、パッケージの原材料表示を確認しましょう。「ショートニング」「マーガリン」「植物油脂」「加工油脂」「ファットスプレッド」などの記載がある場合、トランス脂肪酸が含まれている可能性があります。
近年はトランス脂肪酸の含有量を表示する商品も増えているので、「トランス脂肪酸 0g」と明記されている製品を選ぶのもひとつの方法です。
揚げ物の頻度を減らす
外食やファストフードの揚げ物には、業務用の加工油脂が使われていることが多く、トランス脂肪酸の摂取量が増えやすい食事です。揚げ物は週に1〜2回程度に抑え、自宅で調理する際はオリーブオイルや菜種油など、良質な油を使うことをおすすめします。
手作りのおやつを取り入れる
市販の菓子パンやドーナツの代わりに、手作りのおやつを取り入れると、トランス脂肪酸の摂取を減らせます。バターを使ったシンプルなクッキーや、フルーツヨーグルト、ナッツバーなどは、妊活中のおやつとしてもおすすめです。
手作りまではできない日もあるので、そのまま食べられるナッツを常備しておくと切り替えやすくなります。味付けのないタイプなら、ヨーグルトやサラダに足す使い方もできます。
良質な脂質を積極的に摂る
トランス脂肪酸を避けるだけでなく、体に良い脂質を積極的に摂ることも大切です。オメガ3脂肪酸を含む魚(サバ、イワシ、サーモンなど)、アボカド、ナッツ類、オリーブオイルなどは、妊活中に摂りたい良質な脂質源です。
妊活中におすすめの良質な油脂
- オリーブオイル:加熱調理にも向いた万能オイル
- 亜麻仁油・えごま油:オメガ3脂肪酸が豊富(加熱NG、サラダや和え物に)
- ココナッツオイル:中鎖脂肪酸を含み、エネルギーになりやすい
- バター:適量であれば天然の脂質として安心
亜麻仁油やえごま油は熱に弱いため、加熱用とは別に小さめのボトルで持っておくのが扱いやすいです。開封後は冷蔵保存が基本なので、使い切れるサイズを選んでみてください。

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日本の現状と海外との違い
欧米諸国ではトランス脂肪酸に関する規制が進んでおり、アメリカでは部分水素添加油脂の食品への使用が原則禁止されています。カナダやEUでも含有量の上限が定められています。
一方、日本では法的な規制はなく、表示義務もありません。ただし、食品業界全体でトランス脂肪酸の低減に取り組んでおり、大手メーカーの家庭用マーガリンやショートニングは、以前と比べてトランス脂肪酸の含有量が大幅に減少しています。
日本人の平均的な食生活であれば過度に心配する必要はありませんが、菓子パンやファストフードを頻繁に食べる方は、少し意識してみると良いでしょう。
トランス脂肪酸を減らすための1日の食事例
実際にトランス脂肪酸を意識した食事はどのようなものか、具体的な1日の食事例を紹介します。
トランス脂肪酸を控えた1日の食事例
- 朝食:ご飯、味噌汁、焼き鮭、ほうれん草のおひたし
- 昼食:全粒粉パンのサンドイッチ(バター使用)、サラダ(オリーブオイルドレッシング)
- 間食:ミックスナッツ、フルーツ
- 夕食:サバの味噌煮、ひじきの煮物、豆腐と野菜の味噌汁、玄米ご飯
ポイントは、菓子パンやスナック菓子を避け、和食を中心にした食事構成にすることです。和食は油脂の使用量が洋食に比べて少なく、自然とトランス脂肪酸の摂取を抑えることができます。妊活中の食事の基本としても、和食中心の食生活はバランスが取りやすいのでおすすめです。
よくある質問(Q&A)
Q. マーガリンは妊活中に食べてはいけないのですか?
A. 家庭用の大手メーカーのマーガリンであれば、トランス脂肪酸の含有量はごくわずかです。パンに薄く塗る程度であれば、妊活に大きな影響を与えるとは考えにくいでしょう。ただし、気になる方はバターやオリーブオイルに置き換えるのもひとつの選択肢です。
バターは食塩不使用タイプなら料理にもお菓子作りにも使えます。冷凍保存もできるので、少量ずつ切り分けて使っている方もいます。
Q. トランス脂肪酸は男性の妊活にも影響しますか?
A. トランス脂肪酸の摂取が男性の精子の質に影響する可能性を示唆する研究も一部あります。ご夫婦で一緒に食生活を見直すことで、お互いの体づくりに良い影響を与えられるでしょう。
Q. 「トランス脂肪酸ゼロ」と表示された食品は完全に安全ですか?
A. 日本の表示基準では、100gあたり0.3g未満のトランス脂肪酸であれば「0g」と表示できます。つまり「ゼロ」と書かれていても微量は含まれている場合があります。とはいえ、この程度の量であれば健康への影響はほとんどないと考えられています。
Q. 外食でトランス脂肪酸を避けるコツはありますか?
A. 外食では揚げ物よりも焼き物や煮物を選ぶ、ファストフードよりも定食屋を選ぶなどの工夫が有効です。また、サラダのドレッシングをオリーブオイルベースのものにするだけでも、トランス脂肪酸の摂取を減らせます。和食レストランや魚料理中心のお店を選ぶのも良いでしょう。
まとめ
トランス脂肪酸は、排卵やホルモンバランスに影響を与える可能性が研究で指摘されており、妊活中は意識して摂取を控えたい成分です。ただし、日本の一般的な食生活では過度に心配する必要はなく、ショートニングやマーガリンを使った加工食品の摂取頻度を減らすだけでも十分な対策になります。
「避ける」ことだけでなく、オメガ3脂肪酸やオリーブオイルなどの良質な脂質を積極的に取り入れることも大切です。毎日の食事で少し意識するだけで、妊活をサポートする食生活に近づけます。パートナーと一緒に食生活を見直してみるのもおすすめです。

参考:妊活食べ物Q&A トランス脂肪酸(春木レディースクリニック)
参考:トランス脂肪酸の真実と安心して食事を楽しむコツ(月島食品工業)
参考:トランス脂肪酸を多く含む食品(ダイケンバイオメディカル)
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