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不育症の原因・検査・治療をわかりやすく解説

不妊治療

妊娠はするけれど、流産や死産を繰り返してしまう――。そうした状態を「不育症」と呼びます。不育症は不妊症に比べて認知度が低く、「どこに相談すればいいかわからない」「周囲に理解してもらえない」と悩む方が少なくありません。

不育症は適切な検査と治療を行うことで、約80%の方が出産に至るとされています。「繰り返す流産=もう妊娠できない」ということでは決してありません。原因を特定し、適切な対処をすれば、多くの方が赤ちゃんを抱くことができるのです。

この記事では、不育症の定義・原因・検査方法・治療法をわかりやすくまとめました。正しい知識を身につけて、次のステップに進むための参考にしてください。

ナビ助
ナビ助
不育症って聞くと不安になるけど、治療で80%が出産できるんだよ!希望は十分あるウサ!

不育症とは?定義と頻度

日本産科婦人科学会では、不育症を「妊娠はするが流産や死産を2回以上繰り返し、生児を得られない状態」と定義しています。以前は「習慣性流産」は3回以上の流産とされていましたが、現在は2回以上の流産で不育症の検査・治療の対象となります。

項目 内容
定義 2回以上の流産・死産を繰り返す状態
頻度 妊娠経験者の約5%
推定患者数 日本国内で約3万人
治療後の出産率 約80%
原因不明の割合 約65%

重要なポイントとして、不育症の原因が特定できるのは全体の約35%に過ぎず、残りの約65%は原因不明です。しかし、原因不明の場合でも次の妊娠で出産に至る確率は高く、「原因がわからない=治らない」ということではありません。

不育症の原因

1. 抗リン脂質抗体症候群(最も頻度が高い)

不育症の原因として最も多く特定されるのが抗リン脂質抗体症候群です。血液中に抗リン脂質抗体が存在すると、血液が固まりやすくなり、胎盤の血管に微小血栓ができて胎児への血流が妨げられます。結果として流産や死産が起こりやすくなります。

全不育症の約10〜15%がこの原因とされており、適切な治療(低用量アスピリン+ヘパリン療法)により妊娠継続率が大幅に改善します。

2. 子宮の形態異常

子宮中隔(子宮内に壁がある状態)や双角子宮(子宮がハート型になっている状態)など、子宮の形態に異常がある場合、受精卵の着床や胎児の発育に影響を及ぼすことがあります。全不育症の約7〜8%が該当するとされています。

3. 染色体異常(夫婦の染色体)

夫婦のどちらかに「均衡型転座」などの染色体の構造異常がある場合、受精卵に不均衡な染色体が引き継がれて流産が起こりやすくなります。全不育症の約4〜5%が該当します。

4. 内分泌(ホルモン)異常

  • 甲状腺機能の異常:甲状腺機能低下症や亢進症
  • 黄体機能不全:プロゲステロンの分泌不足
  • 糖尿病:血糖コントロールが不十分な場合

5. 血液凝固異常

抗リン脂質抗体症候群以外にも、プロテインC欠乏症、プロテインS欠乏症、第XII因子欠乏症などの血液凝固異常が不育症の原因となることがあります。

6. 原因不明

検査を行っても原因が特定できないケースが約65%を占めます。原因不明の場合でも、次の妊娠では約70〜80%が出産に至るというデータがあります。「たまたま染色体異常の受精卵が連続した」というケースも含まれていると考えられています。

ナビ助
ナビ助
原因不明って聞くと不安だよね。でも原因不明でも7〜8割は次の妊娠で出産できてるんだよウサ!

不育症の検査

不育症が疑われる場合、以下のような検査が行われます。

検査項目 目的 保険適用
抗リン脂質抗体検査 抗リン脂質抗体症候群の有無 あり
血液凝固検査 凝固因子の異常の有無 あり
甲状腺機能検査 甲状腺ホルモンの異常の有無 あり
子宮形態検査(超音波・MRI) 子宮の形態異常の有無 あり
夫婦染色体検査 染色体の構造異常の有無 一部あり
子宮鏡検査 子宮内腔の詳細な観察 あり
NK細胞活性検査 免疫学的な異常の有無 自費の場合あり

検査は一度にすべて行うのではなく、頻度の高い原因から順番に調べていくのが一般的です。厚生労働省は不育症の検査・治療に対する助成制度を設けており、経済的な負担を軽減するための支援が受けられます。

検査を受けるタイミング

2回以上の流産を経験した時点で、不育症の専門医への相談を検討してください。初回の流産は偶発的な染色体異常である可能性が高いため、通常は1回の流産では不育症の検査は行いません。ただし、年齢や妊活期間などの状況によっては、1回の流産後でも検査を提案される場合があります。

不育症の治療

1. 低用量アスピリン療法

抗リン脂質抗体症候群や血液凝固異常が見つかった場合の第一選択治療です。低用量のアスピリンを毎日服用することで、血液の凝固を抑えて胎盤への血流を確保します。妊娠前〜妊娠初期から服用を開始します。

2. ヘパリン療法

アスピリンに加えて、ヘパリン(血液をサラサラにする薬)を皮下注射で投与する治療です。抗リン脂質抗体症候群の場合、アスピリン+ヘパリンの併用療法で出産率が約70〜80%に達するというデータがあります。

3. ホルモン補充療法

黄体機能不全にはプロゲステロンの補充、甲状腺機能異常にはホルモン薬による管理を行います。

4. 子宮形態異常の手術

子宮中隔がある場合は、子宮鏡下で中隔を切除する手術が有効です。比較的短時間で行える手術で、入院期間も短い場合が多いです。

5. 着床前遺伝学的検査(PGT-SR)

夫婦に染色体の構造異常がある場合、体外受精で得られた受精卵の染色体を検査し、正常な受精卵を選んで移植する方法です。

6. テンダーラビングケア(TLC)

原因不明の不育症に対して行われる、精神的なサポートを重視した管理方法です。定期的な診察と心理的なケアにより、原因不明の不育症でも約70〜80%が出産に至るというデータがあります。「支持的ケア」とも呼ばれ、患者の不安を和らげることが妊娠継続に良い影響を与えると考えられています。

ナビ助
ナビ助
「テンダーラビングケア」って名前が優しいよね。心のケアが妊娠継続に繋がるって、医学的にも証明されてるんだウサ!

不育症の相談先

不育症の検査・治療は、以下の場所で受けることができます。

  • 不育症専門外来:大学病院や総合病院に設置されていることが多い
  • 生殖医療専門クリニック:不妊治療と併せて不育症の対応をしているクリニック
  • 不育症研究班の協力医療機関:厚生労働省の不育症研究班が情報提供
  • 不妊専門相談センター:各都道府県に設置された無料相談窓口

「どの病院に行けばいいかわからない」という方は、まずお住まいの地域の不妊専門相談センターに問い合わせてみてください。適切な医療機関を紹介してもらえます。

不育症の助成制度

不育症の検査・治療に対しては、国や自治体による助成制度が用意されています。

  • 先進医療としての不育症検査:一部の検査が先進医療として保険診療と併用可能
  • 自治体独自の助成:検査費用や治療費の一部を助成する自治体が増加中
  • 高額療養費制度:保険適用の治療で高額になった場合に利用可能

助成制度はお住まいの自治体によって内容が異なります。詳しくは各自治体の窓口や厚生労働省のサイトでご確認ください。

ポイント
  • 不育症は2回以上の流産・死産を繰り返す状態
  • 原因が判明するのは約35%だが、治療により約80%が出産に至る
  • 原因不明でも次の妊娠での出産率は70〜80%
  • 2回以上の流産を経験したら専門医に相談を
  • 国や自治体の助成制度も活用できる

まとめ

不育症は「妊娠できない」のではなく「妊娠の継続が難しい」状態です。適切な検査と治療を受けることで、約80%の方が出産に至ります。原因不明の場合でも、精神的なサポートと定期的なケアにより高い確率で出産が期待できます。

繰り返す流産に心が折れそうになることもあるでしょう。しかし、医学の進歩により治療の選択肢は確実に広がっています。一人で悩まず、不育症の専門医やカウンセラーの力を借りてください。

不育症に関する最新の情報は、日本生殖医学会(www.jsrm.or.jp・サイト終了)や日本産科婦人科学会のサイトで確認できます。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療的な診断・治療を代替するものではありません。具体的な治療については、必ず医師にご相談ください。

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