不妊治療を続けながら仕事も頑張りたい。でも、急な通院や体調不良で有給がどんどん減っていく――。そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
厚生労働省の調査によると、不妊治療経験者のうち約35%が「仕事と治療の両立が難しい」と感じたことがあると報告されています。一方で、55%以上の方が「両立できている(できていた)」と回答しており、工夫次第で両立は十分に可能です。
この記事では、不妊治療と仕事のバランスを上手に取るためのコツと、限られた有給休暇を賢く使うテクニックを詳しくご紹介します。

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不妊治療にはどのくらい通院が必要?
まず、不妊治療の段階ごとにどのくらいの通院頻度になるのかを把握しておきましょう。仕事との調整を考えるうえで、この見通しが重要になります。
タイミング法の場合
月に2〜3回程度の通院が一般的です。排卵日の予測のためにエコー検査を行うため、排卵前後に急な通院が必要になることがあります。ただし、1回の診察時間は比較的短く、半日休暇で対応できるケースが多いです。
人工授精の場合
月に3〜5回程度の通院になることが多いです。ホルモン検査やエコーに加えて、人工授精当日も通院が必要です。授精のタイミングは排卵日に合わせるため、予定を変更しにくい点がネックになりやすいです。
体外受精・顕微授精の場合
採卵周期は月に5〜10回程度の通院が必要になることもあります。特に採卵日は全身麻酔を使用する場合もあり、丸一日の休暇が必要です。移植周期は比較的通院回数が少なく、月に3〜5回程度です。
治療ステップが進むにつれて通院回数は増える傾向にあります。先の見通しを立てておくことで、有給の計画的な使用が可能になります。
通院日と仕事の予定を並べて見られるようにしておくと、調整がぐっとラクになります。月間ページと週間ページの両方がある手帳なら、先の見通しと今週の動きを同時に確認できます。
有給休暇を賢く使うための5つのテクニック
限られた有給休暇を不妊治療の通院に効率よく使うためのテクニックをご紹介します。
1. 半日有給・時間単位有給を活用する
多くの企業では、半日単位や時間単位での有給取得が可能です。不妊治療の通院は午前中だけで済むケースも多いため、半日有給を活用すれば、有給の消化を半分に抑えられます。
時間単位の有給が使える職場であれば、朝の2〜3時間だけ休んで通院し、その後出社するという使い方もできます。
2. 朝一番の予約枠を狙う
クリニックの予約は、できるだけ朝一番の枠を取りましょう。朝早い時間に診察を済ませれば、午前中のうちに出社できることもあります。待ち時間が長くなりがちなクリニックでは、特に効果的な戦略です。
3. フレックスタイムやテレワークを併用する
勤務先にフレックスタイム制度やテレワーク制度がある場合は、積極的に活用しましょう。午前中に通院して午後からテレワークで業務を行えば、有給を使わずに済むケースもあります。
通院後にそのまま外出先でオンライン会議に入る日もあるので、マイク付きのイヤホンを1つ持っておくと動きやすくなります。連続再生時間はモデルによって差があるので、商品ページで確認してみてください。
4. 年間の有給計画を立てる
不妊治療は数か月〜数年にわたることもあります。年間の有給日数から通院に必要な日数を逆算し、計画的に配分することが重要です。体外受精の採卵周期は通院が集中するため、その月に有給を多めに確保しておくとよいでしょう。
5. 積立年休(失効年休の積立制度)を確認する
一部の企業では、有効期限が切れた年次有給休暇を「積立年休」や「ストック休暇」として積み立てられる制度を導入しています。不妊治療の通院に使える場合があるので、就業規則や人事部門に確認してみてください。

会社で使える不妊治療の支援制度
近年、不妊治療と仕事の両立を支援する企業が増えています。自分の勤務先にどんな制度があるのか確認してみましょう。
不妊治療のための特別休暇
一部の企業では、通常の有給休暇とは別に、不妊治療のための特別休暇を設けています。有給の有無や日数は企業によって異なりますが、通常の有給を温存できるというメリットがあります。
くるみんプラス認定企業
厚生労働省は、不妊治療と仕事の両立に取り組む企業を「くるみんプラス」として認定しています。くるみんプラス認定企業は、不妊治療のための休暇制度やフレックスタイム、テレワークなどの制度を整備している場合が多いです。
詳しくは厚生労働省の「不妊治療と仕事との両立のために」のページを参考にしてください。
不妊治療費用の補助制度
福利厚生として不妊治療費用の補助を行っている企業もあります。健康保険組合独自の付加給付がある場合もあるので、加入している健保組合の制度も確認してみましょう。
仕事と治療を両立するための心構え
制度面の活用に加えて、気持ちの面でも工夫が必要です。両立をうまく進めている方に共通するポイントをご紹介します。
治療のゴールを明確にしておく
「いつまで」「どこまで」治療を続けるのか、パートナーと事前に話し合っておくことが大切です。ゴールが明確になると、仕事との調整もしやすくなります。
頑張りすぎない
治療も仕事も全力で頑張ろうとすると、心身ともに疲弊してしまいます。「今はどちらかに比重を置く時期」と割り切ることも、長く治療を続けるためには大切な考え方です。
信頼できる相談相手を見つける
同じ経験をしている方のコミュニティや、不妊カウンセラーとの対話が助けになることがあります。一人で抱え込まず、気持ちを共有できる場を見つけましょう。
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治療スケジュールと仕事の調整テンプレート
実際に仕事と治療のスケジュールを調整するときに使える考え方を、治療段階別にご紹介します。
タイミング法の月間スケジュール例
- 生理開始3〜5日目:ホルモン検査(朝一番予約→午前出社)
- 生理10〜12日目:排卵チェックのエコー(半日有給)
- 排卵日前後:必要に応じて追加エコー(時間有給)
- 有給使用の目安:月1〜2日分
通院日をあらかじめ見込んでおくには、日々の基礎体温を自分でも記録しておくと役立ちます。測定値をアプリに送れるタイプなら、朝の記録作業が数秒で済みます。
体外受精(採卵周期)の月間スケジュール例
- 生理開始3日目〜:注射・エコーで数日おきの通院(朝一番予約で時間有給活用)
- 採卵2〜3日前:エコー・血液検査(半日有給)
- 採卵日:終日休暇
- 有給使用の目安:月3〜5日分

よくある質問(Q&A)
Q. 有給が足りなくなったらどうすればいいですか?
A. まず人事部門に相談しましょう。積立年休制度や特別休暇の有無を確認してください。また、フレックスタイムやテレワークの活用で有給消化を減らす方法も検討してみてください。どうしても足りない場合は、欠勤扱いとしつつ、傷病手当金の対象になるかを健保組合に確認する方法もあります。
Q. 通院のたびに休む理由を聞かれるのがつらいです
A. 上司や同僚に治療のことを伝えるかどうかは個人の判断です。伝えたくない場合は「定期的な通院が必要な状態です」と伝えるだけでも構いません。ただし、信頼できる上司に伝えておくと、急な休みの調整がしやすくなるケースも多いです。
Q. 治療のために退職を考えていますが、判断基準はありますか?
A. 退職すると経済的な負担が増える可能性があります。まずは時短勤務や休職制度の利用を検討してみてください。退職を決める前に、パートナーや信頼できる人と十分に話し合うことをおすすめします。
不妊治療と仕事の両立を支える外部サービス
職場の制度だけでなく、外部のサービスを活用することでも両立がしやすくなります。
オンライン診療の活用
近年、一部の不妊治療クリニックではオンライン診療に対応しているところが増えています。ホルモン値の結果説明や処方箋の発行をオンラインで済ませられる場合もあるので、クリニックに確認してみてください。
家事代行サービス
治療と仕事の両方で疲れているときは、家事まで完璧にこなそうとしないことが大切です。家事代行サービスを利用して、掃除や洗濯の負担を減らすのもひとつの方法です。
掃除だけでも自動化したいという場合は、ロボット掃除機を導入している家庭も多いです。間取りや床の素材によって向き不向きがあるので、対応する床材と稼働時間を確認してみてください。
食事の宅配サービス
栄養バランスの取れた食事を毎日自炊するのは大変です。宅配の食事サービスやミールキットを活用すれば、調理時間を短縮しながら栄養面もカバーできます。

まとめ
不妊治療と仕事の両立は、確かに簡単なことではありません。しかし、半日有給や時間有給の活用、フレックスタイム・テレワークの併用、会社の支援制度の確認など、使えるツールは意外と多くあります。
大切なのは、一人で抱え込まないこと。パートナーや信頼できる人と相談しながら、無理のないペースで治療と仕事のバランスを見つけていきましょう。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、法的・医学的なアドバイスを代替するものではありません。具体的な制度の利用については、勤務先の人事部門やかかりつけの医師にご相談ください。
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